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放置で後悔する前に!TCH(歯列接触癖)が歯にもたらす6つの損傷
2026.08.05
親子三代で安心して通える歯医者、船橋市のあおぞら歯科クリニック下総中山院です。皆さん「TCH(歯列接触癖)」ってご存じでしょうか?
食いしばっているつもりはないのに、なぜか歯がしみる、朝起きると顎がだるい、詰め物がよく取れる——。そんなお悩みはありませんか。実はその不調、日中に無意識で上下の歯を接触させ続ける「TCH」が原因かもしれません。強く噛みしめていなくても、弱い力が長時間続くことで、歯には少しずつ負担が積み重なっていきます。
TCH(歯列接触癖)とは?無意識に歯を接触させる癖
TCHとは「Tooth Contacting Habit」の略で、日本語では「歯列接触癖」と呼ばれます。東京医科歯科大学の木野准教授らによって提唱された考え方で、日中に上下の歯を無意識に接触させ続ける癖のことを指します。軽い癖のように思えますが、長く続くことで歯やお口の健康にさまざまな影響を及ぼすことが、近年わかってきています。
上下の歯が触れ合うのは1日わずか17〜20分
意外に思われるかもしれませんが、上下の歯が本来触れ合うのは、食事や会話、飲み込むときだけです。その合計時間は、1日24時間のうちわずか17〜20分程度といわれています。
リラックスした状態では、上下の歯の間には1〜3mmほどのすき間があります。これを「安静空隙(あんせいくうげき)」と呼び、歯や顎の筋肉が休んでいる理想的な状態です。ところが、歯が軽く触れ合った瞬間から、咬筋(こうきん)や側頭筋(そくとうきん)といった噛むための筋肉は緊張し始めます。
ポイントは「弱い力」でも起こるという点です。強い歯ぎしりのような力でなくても、軽く触れる程度の力が長時間続けば、歯や顎にとっては大きな負担になります。夜間の歯ぎしりとは違い、日中に弱く長く続くのがTCHの特徴です。
こんな場面で起こりやすくなります
TCHは、次のような集中・緊張の場面で起こりやすいことがわかっています。
・パソコンやスマートフォンを操作しているとき
・車の運転や細かい手作業に集中しているとき
・仕事や勉強に没頭しているとき
・緊張やストレスを感じているとき
いずれも日常のありふれた場面です。だからこそ、ご自身では気づきにくく、知らないうちに癖が続いてしまうのが厄介なところです。
TCHがあるか、ご自身で確かめてみましょう
TCHは無意識の癖のため、自分では気づきにくいものです。次のような項目に当てはまる方は、TCHの可能性があります。
・気がつくと上下の歯が触れ合っている
・頬の内側や舌の側面に、歯の痕(あと)がついている
・朝起きたときに顎や頬がだるい、疲れている
・集中して作業したあと、歯や顎に違和感がある
・詰め物や被せ物が取れたり欠けたりしやすい
一度、唇を軽く閉じたまま、上下の歯が当たっていないか意識してみてください。歯が触れているようであれば、日常的にTCHが起きているサインかもしれません。TCHは年齢を問わず起こりますが、若いうちから気づいて習慣を見直すことで、将来の歯のトラブルを減らすことにつながります。
TCHが歯にもたらす6つの損傷
「軽く触れているだけ」と侮ってはいけません。ここからは、TCHを放置することで歯に起こりうる6つの損傷を、具体的にご紹介します。
①歯のすり減り(咬耗)
上下の歯が長時間こすれ合うことで、歯の表面が少しずつすり減っていきます。これを「咬耗(こうもう)」といいます。進行すると噛み合わせが低くなり、見た目や噛む力にも影響が出てきます。前歯の先が平らになってきた、犬歯がすり減ってきたと感じる場合は、咬耗が進んでいるサインです。
②歯のヒビ・破折
弱い力でも長く加わり続ければ、歯には金属疲労に似た細かなヒビが入ることがあります。ヒビが深くなると、歯が割れる「破折(はせつ)」につながり、状態によっては抜歯が必要になる場合もあります。歯に入ったヒビは自然には治らないため、早い段階で気づくことが大切です。
③知覚過敏(歯がしみる)
冷たい水や風で歯が「キーン」としみるのが知覚過敏です。TCHで歯に負担がかかると、歯の根元がわずかに欠けたり、歯を覆うエナメル質が傷んだりして、しみる症状が出やすくなります。一時的なしみで済むこともありますが、繰り返す場合は歯の内部にダメージが及んでいることもあります。
④詰め物・被せ物の破損や脱落
治療で入れた詰め物や被せ物にも、常に力がかかり続けます。その結果、詰め物が欠けたり、被せ物が取れたりしやすくなります。「同じ場所の詰め物が何度も外れる」という方は、背景にTCHが隠れている可能性があります。外れたまま放置すると、すき間から虫歯が再発しやすくなるため注意が必要です。
⑤歯周病の進行と歯のぐらつき
歯を支える骨や歯ぐきにも、噛む力は伝わります。すでに歯周病がある場合、TCHによる負担が加わることで進行が早まり、歯がぐらついてくることがあります。歯を支える骨は一度失われると元に戻りにくいため、余分な負担を減らすことがとても重要です。
⑥顎関節症・噛む筋肉の痛み
歯だけでなく、顎の関節や筋肉にも影響が及びます。咬筋や側頭筋が疲労すると、顎の痛み、口の開けにくさ、頭痛や肩こりにつながることもあります。これらは顎関節症の代表的な症状としても知られています。「歯の問題」と思っていた不調が、実は顎まわりの筋肉の疲れから来ているケースも少なくありません。
TCHの改善方法と当院の取り組み
TCHは、正しく向き合えば改善が期待できる癖です。ここでは、ご自宅でできる方法と、歯科医院でのサポートについてお伝えします。
まずは「歯を離す」を思い出す習慣から
TCHを止める第一歩は、「唇を閉じて、上下の歯は離す」という本来の状態を思い出すことです。次のような方法が効果的です。
・「力を抜く」「歯を離す」と書いた付箋を、パソコンや冷蔵庫など目につく場所に貼る
・付箋を見るたびに、ふっと肩の力を抜き、上下の歯を離す
・鼻から息を吸い、吐きながら歯と顎、肩の力を一気に抜く
2〜3か月ほど続けるうちに、歯が触れると自然に離せるようになる方が多いといわれています。まずは日中に「今、歯が当たっていないか」を思い出すことから始めてみましょう。
当院でのサポート
セルフケアだけでは改善が難しい場合もあります。あおぞら歯科クリニック下総中山院では、患者様お一人おひとりのお口の状態を丁寧に確認し、必要に応じて対応します。歯や顎への負担を和らげるマウスピース(ナイトガード)のご用意や、顎関節症のご相談にも対応しています。当院は2017年の開院以来、予防を大切にしており、定期検診では歯のすり減りやヒビの有無も見逃さないよう努めています。「気づかないうちに歯を傷めていないか心配」という患者様は、どうぞお気軽にご相談ください。
まとめ
TCHは、強い力でなくても長時間続くことで、すり減り・ヒビ・知覚過敏・詰め物の破損・歯周病の進行・顎関節への負担という6つの損傷を歯にもたらします。日中に「歯を離す」意識を持つだけでも、負担は大きく減らせます。気になる症状がある方や、ご自身がTCHか心配な方は、あおぞら歯科クリニック下総中山院までお早めにご相談ください。一緒にお口の健康を守っていきましょう。
この記事の監修者
あおぞら歯科クリニック下総中山院 院長 黒澤 薫(歯科医師)
明海大学歯学部卒業後、埼玉県及び千葉県内の歯科医院にて勤務。
平成26年に医療法人社団爽晴会あおぞら歯科クリニックに入社。
平成29年9月よりあおぞら歯科クリニック下総中山院 院長に就任。
現在は院長として、患者さまに寄り添う歯科医療を心がけている。
本記事は、医療情報の正確性・分かりやすさに配慮し、歯科医師監修のもと作成しております。