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その歯ぎしり、実は隠れストレスのサイン?噛み合わせ治療で改善できる?

親子三代で通える歯医者、船橋市のあおぞら歯科クリニック 下総中山院です。

 

 朝起きるとあごが重い、歯がしみる、頬の筋肉がこわばる。このような症状があれば、寝ている間の歯ぎしりや食いしばりが関係しているかもしれません。歯ぎしりは噛み合わせの問題だけでなく、日中の緊張や睡眠の質、全身のコンディションとも深く関係します。本記事では、歯ぎしりと隠れストレスのつながり、放置のリスク、噛み合わせ治療の流れ、今日からできるセルフケアを分かりやすく解説します。

 


こんなお悩みはありませんか?

✅朝、あごのだるさや頭痛がある 

✅奥歯がしみる、歯が短くなった気がする 

✅頬の内側や舌の縁に歯形がつく 

✅詰め物や被せ物がよく外れる、欠ける 

✅家族に歯ぎしりの音を指摘された

 


歯ぎしりはなぜ起こる?隠れストレスと自律神経の関係

 歯ぎしりは、睡眠中の運動パターンのひとつとされ、睡眠が浅くなる瞬間に起こりやすいと考えられています。日中の緊張、就寝直前のスマホやカフェイン、アルコールなどが交感神経を高ぶらせると、反射的な噛みしめが増えます。これが慢性化すると、睡眠中にも無意識の噛みしめや横滑りが増え、歯やあごの関節、筋肉へ負荷が蓄積します。


噛み合わせや歯列の不整、合わない詰め物や被せ物が局所の負担を高めることも、歯ぎしりの助長要因です。さらに鼻づまりや口呼吸、睡眠時無呼吸などの呼吸の問題、胃食道逆流の既往、特定の薬剤の影響など、全身要因が背景にある場合もあります。つまり歯ぎしりは単独の原因ではなく、ストレスと体のバランスの乱れを映すサインと考えるのが自然です。

 


放置は禁物。歯や全身に及ぶリスク

歯ぎしりは「歯がすり減る」だけではありません。以下のように影響は広範囲に及びます。

 

・歯質へのダメージ:エナメル質が摩耗して象牙質が露出し、知覚過敏やひび割れの原因になります。すり減りが強い部位では歯の破折や欠けが起こりやすくなります。 

 

・修復物のトラブル:詰め物や被せ物の縁に段差や隙間が生じ、二次むし歯の温床になります。外れや破損の再発も増えます。 

 

・歯周組織への負担:過大な力が歯周組織に加わり、歯ぐきの炎症を悪化させたり、動揺を助長します。 

 

・顎関節・筋の不調:顎関節の違和感、口が開けづらい、噛むと痛い、頬の張りや肩こり、緊張型頭痛などにつながります。 

 

・睡眠の質の低下:浅い睡眠が続き、朝のだるさや集中力低下、日中のパフォーマンス低下を招きます。

 

こうした影響が重なると、症状はくり返しやすくなります。放置をせずに早めに歯科を受診して余計な噛む力を減らし、原因を見極めて一つずつ対処していきましょう。

 


噛み合わせ治療で改善できる?

当院では、いきなり歯を削るような調整は行いません。まずは原因を見極め、負担を減らしながら経過を観察する段階的な方針をとります。

 

診査・診断 
問診で生活リズムや仕事のストレス、就寝前の習慣を確認します。噛み合わせ、歯のすり減りやひび、歯周状態、修復物の適合をチェック。咬合紙やシリコンで接触点を確認し、必要に応じてレントゲンや口腔内写真、歯列模型採得を行います。睡眠や呼吸の問題が疑われる場合は医科との連携も検討します。

 

スプリント療法(ナイトガード) 
まずは就寝時のマウスピースで歯面を保護し、力の分散を図ります。適切に調整したスプリントは、歯や修復物の破損を防ぎ、顎関節や筋の負担を軽減します。装着後は数週間ごとに当たり具合を再評価し、噛み合わせの変化を確認します。

 

生活習慣の是正とセルフケア 
就寝前のスマホ・カフェイン・アルコールを控え、入浴やストレッチで副交感神経優位に切り替える工夫を提案します。日中は「歯を離す」を合言葉に、上下の歯を接触させない時間を増やします。鼻呼吸の練習、舌の正しい位置の練習、肩や首のストレッチも併用します。

 

咬合の微調整・修復や矯正の検討 
強く当たる一点や干渉が明確な場合のみ、最小限の研磨で負荷を分散します。大きな欠損や不適合修復が原因であれば、セラミック修復や再修復で形態と接触を整えます。歯列不正が主因なら、矯正治療での改善も選択肢になります。

 

全身連携の必要性 
睡眠時無呼吸や重度のストレス反応が疑われる場合は、耳鼻科や睡眠医療、内科と連携し、総合的に改善を目指します。歯科単独での対処に限界があると判断した際は、適切な医療機関をご紹介します。

 

 


今日からできるセルフケア。力をためない、流す

⭐就寝90分前からのルーティン:ぬるめの入浴、軽いストレッチ、スマホは控え、照明を落として体内時計を整えます。 

⭐「歯は離す」が基本:仕事中に1時間に一度、深呼吸とともに上下の歯をそっと離す。付箋やスマホのリマインダーを活用。 

⭐舌のポジション:舌先を上あごの前歯の少し後ろに添え、舌全体を上あごに軽く吸い付けると、余計な噛みしめを抑えやすくなります。 

⭐頬とこめかみのセルフマッサージ:咬筋と側頭筋を円を描くようにやさしく緩め、血流を促します。 

⭐カフェインとアルコールの調整:夕方以降の摂取を控え、睡眠の深さを確保します。 

⭐歯面の保護:知覚過敏が強い場合は、高濃度フッ素ジェルや知覚過敏用歯みがきで歯面を守ります。

これらの小さな工夫を続けることで、過度な噛みしめを抑え、スプリント療法の効果が出やすくなります。

 

 


次のようなサインがあれば、早めの受診をご検討ください。 

✅朝のあごのだるさや頭痛が続く 

✅歯のすり減り、欠け、ひびが目立つ 

✅詰め物や被せ物が繰り返し外れる 

✅口が開けづらい、顎関節に音や痛みがある 

✅家族から歯ぎしりの音を指摘される

 

 


 当院では、まず「余計な噛む力を減らすこと」と「原因を見極めること」を軸に、段階的に治療を進めていきます。はじめに、就寝時に使うマウスピースで歯を守り、力を分散していきます。そのうえで、強く当たっている歯をわずかに調整したり、合っていない詰め物・被せ物を作り直したり、必要に応じて矯正や歯周、むし歯の治療も組み合わせます。睡眠や呼吸の問題が疑われる場合は、耳鼻科などの医療機関と連携します。お口全体のダメージが大きい方には、インプラントも含めた総合的な治療計画をご提案することもあります。噛む力のかかり方を整えると、歯のトラブルが減るだけでなく、あごや肩のこり、睡眠の質の改善にもつながります。

 

 


まとめ 

 歯ぎしりは、隠れたストレスや生活リズムの乱れを映すサインです。放置すれば、歯の破折や知覚過敏、顎関節の不調、睡眠の質低下など、歯と全身に広く影響します。下総中山院では、過度な削合に頼らない段階的な治療と、生活習慣の見直しをセットにして、根本からの改善を目指します。気になる症状があれば、どうぞ早めにご相談ください。

 

 

 

本記事はあおぞら歯科下総中山医院、黒澤薫院長監修のもと作成しています。

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