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船橋の歯科医が教える夏バテ・熱中症から守るお口の健康ケア

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2025.07.25

親子三代で通える歯医者、船橋市のあおぞら歯科クリニック下総中山医院です。

 

 

梅雨が明け、本格的な夏が到来すると、夏バテや熱中症による体調不良だけでなく、お口のトラブルも増えがちです。暑さで汗を大量にかき、水分補給が十分にできないと「ドライマウス(お口の乾き)」が起こり、唾液の自浄作用が低下して虫歯や口臭、歯周病リスクが高まります。また、冷たい飲み物やアイスの過剰摂取は知覚過敏や歯のひび割れを招くことも。今回は、夏特有の体調変化とお口の健康を両立させるためのセルフケアと予防法を専門家の視点からご紹介します。

 


夏バテ・熱中症が増える季節、お口の中に起こる変化

強い紫外線や高温多湿の環境では、体内の水分やミネラルが失われやすく、全身の血液循環や免疫力が低下します。これに伴いお口の中では唾液分泌が減少し、細菌が増殖しやすい “乾燥状態” に。唾液には口内を中性に保つ*緩衝作用や抗菌作用があるため、分泌量が減ると虫歯・歯周病が進行しやすく、口臭も強くなります。また、熱中症対策として多量に水分を飲んでも、短時間で排泄されることでドライマウスが悪化する悪循環にも注意が必要です。

*緩衝作用 — 食事や間食によってお口の中が酸性に傾いた時に、中性に戻す作用のこと

 


夏バテと口内環境の関係:唾液減少と虫歯リスク

夏バテで食欲が落ち、柔らかい冷たい食品や清涼飲料水に頼りがちになると、口内のpHは酸性に傾きます。冷たいものはおいしい反面、糖分が多いものも多く、細菌の栄養源になりやすいのが特徴。唾液自体の緩衝能も落ちるため、歯の表面が脱灰(ミネラル溶解)しやすく、虫歯の進行スピードが速まります。特に寝起きや食後すぐのドライマウス状態は要注意です。

 


熱中症予防とお口の乾燥対策:適切な水分補給と栄養

夏の健康管理ではこまめな水分補給が必須ですが、「ただ飲む」だけでは不十分です。以下のポイントを意識しましょう。

■バランスのよい水分補給:スポーツドリンクとミネラルウォーターを併用 

■食事での栄養補給:ビタミンB群やC、ミネラル(カルシウム・マグネシウム)は唾液分泌をサポート 

■こまめなうがい:口腔内の汚れを流しつつ、唾液腺を刺激して分泌促進

また、常温または冷やしすぎない飲み物は、知覚過敏の予防にもつながります。

 

 


夏の食事と歯にやさしい食べ方:ビタミン・ミネラルで歯ぐきを守る

夏野菜や果物には、抗酸化作用や歯周組織の健康に重要な栄養素が豊富です。

■おすすめ食材:トマト(リコピン)、きゅうり(カリウム)、スイカ(シトルリン)、緑黄色野菜(β-カロテン) 

■摂取のコツ:細かくカットしてよく噛むことで唾液分泌を促進

さらに、カルシウムを含む乳製品や緑茶のカテキンも抗菌作用があり、歯周病や口臭予防に有効です。

 

 


夏バテ・熱中症対策におすすめのセルフケア

唾液分泌を促すマッサージ:頬の内側をやさしく押しながら舌を上あごに当てる運動

保湿ジェルやマウスウォッシュ:ドライマウス専用製品で口腔内を潤す

規則正しい生活リズム:睡眠不足は唾液分泌を低下させるため、質の良い睡眠を確保

ガム・タブレット:キシリトール配合で唾液を刺激しつつ虫歯予防

定期検診で歯石除去(PMTC)を受けることで、細菌バイオフィルムをリセットしましょう。

 

 

暑い夏もお口の健康をしっかり守り、爽やかな笑顔で毎日をお過ごしください。

 



本記事はあおぞら歯科下総中山医院、黒澤薫院長監修のもと作成しています。

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